アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第24話 魅惑のナイトプールなのにお気楽回じゃない


第23話「最大のピンチ! プレジデント・クライあらわる」に続く第24話「元気スプラッシュ!魅惑のナイトプール!」である。通常のプリキュアの展開では、強烈な精神攻撃に対する解決があった場合、次の回は楽しいバカンス回になる。だから今回も楽しいタイトルになる。「魅惑の」とか「ナイトプール」とかやりすぎ感さえある。しかし、これはハグプリ。

ハグプリタイトルの傾向

しかし、これはハグプリ。そもそも深刻回であるはずの第23話が、タイトルほどに最大感なく、肩透かし気味。それを継いだ第24話。何かあるはずとの期待が高まる…が、サラッとアバンタイトル見るだけではそれほどのことは起きておらず、楽しいバカンス正常運転に見える。しかし、アバンタイトルのラストでほまれとルールーが眺めるイベント告知チラシには「バグッ 納涼だらけの町内トプール」と書いてある。それならば、タイトルでミスリードするにしても「魅惑のナイトプール」でなく「超ナイトプール」として欲しかった。中途半端やろ。「納涼だらけの」というフレーズも下品…というか、これが"魅惑"成分なのか。
楽しい正常運転にみえたが、みえただけで、何かおかしなことが紛れ込んでいるそんな予感で始まったのが、この第24話である。

重い…重すぎるほまれのセリフ

ナイトプールの準備中、「はなだよねぇ。この間までいろんなことがあったのに。笑ってて。はなだよねぇ」という重い言葉を、はな以外の4人プラスはぐたんが集まっている場所で、ほまれが言う。
そしてそのほまれの言葉に同意する3人(ここで重要なのは、はぐたんが寝ていること!はぐたんはこのほまれのセリフに何らかのアクションをとれない状態なのだ)

ハリーの引っかかるセリフ

そして、「今を思いっきり楽しむことが、アスパワワをぎょうさん出すことになるんやな」というハリーの言葉、少し引っかかる。キュゥべえ的な匂いがする。これを言った時のはぐたんの表情を見たいが、先に書いたように都合よく寝ている。

1人別行動のはな

ナイトプールが始まる。他の4人はプールサイドに固まって行動しているのに、1人だけプールにつかるはな。他の4人は集団行動。ただしはぐたんは、"またしても"寝ている<=絶対ここに意味がある。覚醒していたら、何らかの場に合わない表情、厳しいもしくは悲しいもしくは慈しむ表情をしていた可能性高い。
はなは単独行動(市井の人々が楽祭を楽しむ姿を慈しむ王女はなという感じ)

ストーリーは一気に重くなる

そして前話のプレジデント・クライの野望を思い出すはな。ここから重くなる。
震える両腕…そしてその腕の震えを抑えるため、両腕を組むはな(ここまで描くか)
不安に押しつぶされそうなはな(ナイトプールが全然"魅惑"でない件。周りからは人が消える。宇宙の中にはな1人というイメージの描写。やはりまどかパターンに陥るか。しかしライトアップがプリキュア色であり、はなは気づいていないが、一人ぼっちではないことが表現されている。ただし、一人ぼっちでないことは、状況認識、責任認識の重さ、深さの共有に繋がらないことが、恐らく後のはなを苦しめる。要は今の同僚プリキュアは、はなと戦闘能力とは違うところで大きな差があると思われる)
皆が笑顔でいられるようにと、強いて笑顔になり、自らに独り言でエールを送るはな。少し安心した顔で水中でリラックスするはな。水中で涙が消える演出が素晴らしい。

見守るはなまま

そのはなを見守るはなママ。
上の2シーンを合わせて、母の羊水のイメージと思われる。母に守られ、安心しているのだと。しかし、見守られていることを、はな自身は認識していない。それは羊水の中の赤ん坊も同じ。それほど母の愛は絶対ということか。
ところでこのシーン。ピンクと黄と青の光しかない。赤と紫がない。はなは、まだマシェリとアムールのプリキュアとしての能力を信じきれていないと思える。なぜなら、その後に続くのが…

笑顔を生み出す追加プリキュア

なんか出た…、と思ったら、えみるとルールーのギターライブ。ここではなはえみるとルールーの能力に気づく。「笑顔を守るだけじゃない、みんなの笑顔が、みんなのアスパワワが力をくれる!」と。エール、アンジュ、エトワールは、笑顔を守るプリキュアだが、笑顔を作ることはできない。しかし、マシェリとアムールは、笑顔を生み出すプリキュアとして自分たちと異なる能力があるのだと、はなはこの時点で認識した。女王覚醒である。
さらに、猛オシマイダー登場で、えみるとルールーが音楽で皆を癒すという同じ話を同一話中で、もう一度繰り返す。これは素晴らしい。オシマイダーが現れた時、はなとさあやとほまれの3人は集まっていた。この3人なら、もはや変身するしかない。

変身せず猛オシマイダーに対峙するえみるとルールー

しかしえみるとルールーならば他の手もある。えみるは、トゲパワワを蹴散らしてオシマイダーに近づく。というか、トゲパワワが磁石の反発のように避けていく。えみるとルールーは、変身しないまま、オシマイダーと対峙。そのさい、赤いオーラを纏っている。これははなさあや、ほまれの3人にはできない。
変身後も、マシェリとアムールはギター弾きまくるのだが、"マシェリポップ"と称して弾く音は、ハードロックだし、"アムールロックンロール"というのも、どちらかというとメタルだろという、まあ、意図的に言葉と中身をずらした音を出して、お年寄りに分かりやすい言葉を使う一方で、若者が好みそうな音を使うという、世代に優しい言葉と音選びなのです。メイン視聴者の方々は置いてきぼりだけれど、ここで覚えてねってことか?定義的に間違いだけれど。

追加プリキュアの能力と実戦経験

なお、はながマシェリとアムールの笑顔を生み出すプリキュアとしての能力に気付く前は、"プリキュアとしての能力"≒"笑顔を守る力"≒"戦闘能力"と考えていたのは仕方ない。その点、ハグプリはぬかりなくて、マシェリとアムールは、実戦経験不足なので、戦闘能力としては2人は未熟であるという描写が同一話にちゃんとある。これを、はなが2人の能力に気づいた後のシーンに持ってくるのがハグプリである。球状と化した猛オシマイダーの体当たり攻撃をマシェリとアムールは、連続バック宙で華麗にかわす。そしてこの2人が、着地して見たものは…
オリジナルメンバー3人がオシマイダーを押さえてる。うん、実戦的戦闘能力には3人に一日の長がある。そもそも逃げないから。
そして3人とも、ピンク?紫?白?オーラとかそんなレベルでなく、各人の色が飛んでしまった光を纏っている。どんな力なんだろ。これにはマシェリもアムールも力の差を感じたはずで、アムールが"想定外"と考える対応を先輩プリキュアがとっていることで、ルールーが先輩たちとの力の差を自覚したような顔が描かれている。しかしキュアアムールことルールーは、AIだから、次回はひょっとして対応して来ちゃうかもしれん。
しかし、ハグプリはお仕事がテーマの1つ。戦闘さえも役割分担と考えれば良い。マシェリとアムールは、アールたちとは違う方法で能力を発揮すれば良い…と、はなは悟ったっぽい。

徹底して見守るだけのはなママ

そして、猛オシマイダー倒した後のはなの良い笑顔を見逃さないはなママ。
皆と交わり楽しそうなはな(緑色の光が見える…)
それを見て微笑むはなママ(緑色の光が見える…)
プールにははなと一緒に仲間がいる(緑色の光が見える…)
はなママ、本当に娘をよく見てる。そして、戦う前のプールでは緑色のライトアップはなかったが、ここでは出ている。シーンによっては、ピンクと緑色しかなかったり。ミライクリスタルに緑色がないのは、色相環的にアンバランスだったから、はなママ、これは…まあ、はなママが緑のプリキュアということでなく、ミライクリスタル全色を統べる感じの誰かの可能性は高い。これでやっぱり一般人でしただったら、恐ろしい。

満面の笑みのはな

そしてラストのはなの満面の笑みである。これは確かにキュアスタに上げるべき笑顔。

はなママの見守り力

ここで、はなママは、終始一貫、怖いくらいに見守るだけ。そして緑色の光。
あと、はなが1人プールに入って精神的に不安定な時は、画像の中に他に見知らぬカップルがいたが、猛オシマイダー倒して、皆がプールに入っていた時は、画面には他にはなパパがいる。これも意味があるかもしれない(個人的にはなパパは、クライアス社に繋がる危険人物と考えていて、チャラリート、パップル、ダイガンが生き生きしているシーンに登場したのは意味があると考えるので)。

緑色は謎の色

話は遡るが、このプール設営時、はぐたんは緑の球(おそらくプールに浮かべる光の球)で遊んでいて、それを失くしてグズっている。これは、ナイトプール開始直後には、緑色の光がないこととともに、そもそもこの時点で緑色のミライクリスタルが得られていないことも暗示している。また、このプール設営シーンでは、はなは別行動していることがポイントで、さあやとほまれは、はぐたんのこの緑色球を失ったことによるグズつきを、微笑ましいものとして見ている。これは緑色を無くしている状態に対する認識の低さを表している。

《今話のポイント》

①緑色の光

もう緑色が何かを意味しているのは確定である。確かに、色相環的にみると、今のプリキュアには、緑色成分が明白に不足している。
これから緑色(特に緑色の光)がどのような場面で出てくるのかに注意すべきである。また、そのことを、直感的に危惧しているのは、はなのみ。プリキュアの他の4人は、気づいていない。ハグプリ後期は、この設定でスタートというのは、後期も、かなり重い展開になるぞ!(しかもそれを軽いタッチで描かれるという)

②変身前オーラ

えみるとルールーは、変身前に赤いオーラをまとっている。変身前オーラは、ハグプリでは、初めてプリキュアに覚醒する際に帯びるもの。さらっとした描写であったが、えみる(もちろん変身前)が歩くだけでトゲパワワが磁石で反発するように遠ざかっていく描写もあり、えみるとルールーが、はなたちを置いて、さらに高みへ行った可能性はある。

③眠るはぐたん

はぐたんは、ナイトプール設営時にボールをうまく扱えず少し怒ってたシーンはあったが、ナイトプール時間中の多くは、寝てる描写ばかりであった。これは意図的なはずで、なにかある。
②③のどちらかに①が関係していると思われる。